第42回「熊本県電気工事業技能競技大会」で優勝した
(株)エレテック  竹川 夕貴氏
栄光を掴んだ「本番さながらの練習」


竹川 夕貴氏 大会へのエントリーが締め切られる前日の夜、社長から携帯電話に連絡が入った。「今度の技能競技大会に出てみらんか」。突然の話で困惑した。「出場する気など、まったくありませんでしたから」。大会は約2週間後に迫っていた。
 「出場するからには、絶対に入賞してやろう」こう思ったのには理由がある。会社の後輩が、昨年の大会に出場。3位という好成績を残した。「後輩に負ける訳にはいかない」。早速、大会に向け猛練習を始めた。
 八代市の現場を担当していたため、練習ができるのは午後8時から。大会1週間前からは、深夜1時まで練習した。特に最後の2日間は「より本番に近づけたい」との思いから、実際にヘルメットと安全靴を着用しての作業。「なんとか、3時間20分の制限時間内に終えることができました」。練習での自信を胸に、本番に挑んだ。
 競技中に、ちょっとしたアクシデントが発生した。作業前に確認していたはずの材料が見当たらない。頭の中は真っ白になった。材料の補充は減点となる致命的なミス。悠長に探していたら作業時間が無くなる。「落ち着け。ちゃんと確認したはずだ」。次の作業を進めながら、なんとか探し出すことができた。「今となっては笑い話ですが、材料を足で蹴飛ばしていたようです」。
 奥さんと7カ月になる長男も応援に駆け付けた中での優勝。「仕事をしている姿を見せるのは初めて。妻からは『別人みたい』と言われました」。照れ臭そうに笑う。
 11月20日、長崎県である九州大会に熊本県代表として出場する。「県大会以上のスピードで作業を行いたい。体調管理にも注意しなければ」と気を引き締める。
 実家は熊本市の永明電設。小さい頃から現場で遊び回り、中・高校生の時は手伝いもしていた。「何の抵抗もなく、電気工事の道に進みました」。
 趣味はボーリング。マイボール・マイシューズ持参で、週一回はレーンを訪れる。ハイスコアは234。祖父母、両親、妻、息子の7人暮らし。昭和58年生まれの25歳。
2008.11.06掲載

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