平成20年建設事業関係功労国土交通大臣表彰を受賞した
(株)三和地質コンサルタント  代表取締役 堀尾 吉次氏
見えない仕事だからこそ誠実に


堀尾 吉次氏 「目に見えない仕事だからこそ、誠実さ、正確さが求められる。責任感が大事」。熊本県内の地質調査会社からは13年ぶりの受賞。「地質調査業からも選ばれることがあるんですね」と驚いた様子だ。
 大学卒業後、昭和42年に大手の地質調査会社へ営業マンとして入社し、地質調査業界との係わりが始まった。その後、熊本へ転勤となり、熊本出張所長を務めていたが、同59年に同僚と3人≠ナ今の会社を興した。これが商号の由来となった。
 平成4年頃から熊本港の地質調査に携わる。何もない海の上で、調査のためのスパット台船を設置しての作業だったが、海底はヘドロが堆積する軟弱地盤で、台船の固定に一苦労した。熊本港を利用する際には、今でも当時のことを思い出すという。
 昭和55年に設立された寥F本県地質調査業協会の発足当初から理事として協会の運営に参画し、平成9年からは2期4年にわたり理事長を務めた。社会貢献活動として現在では恒例になっている健軍川の清掃ボランティアも、この頃スタートした。「最近ではゴミを捨てる人も少なくなりました」と喜ぶ。
 公共工事が激減するなか、各社とも生き残りをかけて奔走している。環境問題や耐震問題が叫ばれるようになり、土壌汚染対策や民間住宅等の調査に活路を見い出す。「決してなくなる仕事ではない」と自らを鼓舞する。
 若い技術者には、専門的な技術や資格を身につけるよう提案する。「これまでのように、発注者に調査結果をただ報告するだけではだめ。その結果をもとに、今後の作業方針を提案できるようにならなければ」。
 趣味は山登り。月2回は奥さんと出掛け、足元の地盤を気にしながら頂上を目指す。65歳。 
2008.8.11掲載

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