国土交通省熊本河川国道事務所長に就任した 七條牧生氏
目指すのは「コミュニケーション型行政」
橋を造りたくてこの道を選んだ。「土木工学はよろず学問。自然や社会を相手にしながら、的確なマネジメントが求められる。より良い物を提供できるよう常に模索している」。土木の奥の深さを痛感しながらも技術屋としての使命を忘れない。
昭和60年に入省し、北海道、東京、茨城、マレーシア等を渡り歩いてきた。前職は、大臣官房技術調査課で、主に国土交通省の施策、技術の方向性や環境問題の考え方などを示す仕事に携わった。「学ぶ姿勢は大切」との想いから、何にでもぶつかっていくことを重んじる。「一生懸命やれば自分の物になる」。
北海道では、国道38号を管理する計画係長として赴任した。当時、バイパス建設で廃れていくまちなみの再興に東奔西走した。結果「方向性は良かったが、先走りしすぎて空回りに終わった。パートナーシップをどう築くか。地域の人たちが自らの手でまちをどう育てていくか。今になって思えば相互理解が足りなかったのかもしれない」と反省する。
こうした苦い思い出は、早速、〃自分の物にする〃。現在、目指しているのは『コミュニケーション型行政』。熊本の歴史、文化、自然、人材を活かして『安全・安心』のために力を尽くすことが事務所長についてからの抱負だという。
「先の水害では、我々と地元建設業者が一体となって応急復旧に努めた。地域の安全・安心はそうした活動で成り立っている。誇りを持ってもらいたい」。業界の活動が正しく国民に伝わらないことへ苛立ちながらも「一つひとつの仕事を地道にやっていくことで全体の評価につながる」とイメージアップへの成果を期待する。
着任後、一番驚いたのは熊本の綺麗な水。その清い水から生まれる「お酒」に期待を寄せる。「好きなのは日本酒だが、全国でも有名な球磨焼酎も極めたい」。
妻と老後にできるスポーツを探した結果、行き着いたというゴルフが趣味。45歳。熊本市の官舎に単身赴任中。 |