「希望がもてる魅力的な建設業を!!」
黄綬褒章を受章した
荒川建設(株) 代表取締役 松本重継氏
国土交通大臣表彰(平成14年)に継ぐ受賞という快挙を成し遂げた。常に業界発展のために尽力してきた姿勢が改めて評価された格好だ。「建設業に携わる1人として業界の名誉だと思っている」。前回同様、受賞を謙虚に受け止める。
黄綬褒章には『業務に精励して衆民の模範である者』という規定がある。荒川建設(株)代表として建設業を努める傍ら、(社)熊本県建設業協会の鹿本支部長や、このほど市町合併で発足した山鹿市建設業協会の会長という重職に従事。協会活動を通じて色々な人たちに見習うべき姿勢を示す。
目下頭を痛めていることは建設業の企業合併と新分野進出。県内の公共工事がピーク時の5割減とも言われる厳しい状況の中で、リーダーとして最善策を模索する。「業者数を減らさなければ共倒れする状況で、業界も真剣に再編策を考えなくてはならない」と訴える。
新分野進出については、情報収集を怠らない。特に県内業者は農業分野への進出が顕著で、マンゴー、梅、ピーマン、畜産・・・。「農業はのめり込みやすく建設業が生き残る手段の1つ。建設業は災害等の緊急時には機動性を備えているほか、地方経済を支える基幹産業といえる。従業員を守ることも大切だ」。自らも農業認定者として農業に従事しており、成長の可能性には手応えを感じている。
「我々の思惑は、希望がある業界として魅力的な建設業をつくっていくこと。これからの若い人には現場での仕事も必要だが、IT関係のことについても勉強してもらいたい」と後輩たちに注文する。
今月27日に褒章の授与式が行われる。陛下の拝謁も頂けるそうで、今も緊張する毎日を送っているという。先日、受章した経験を持つ知人に拝謁の時の様子を聞いた。「待ち時間が長く、トイレにも自由に行けないそうなので、水分を取らないようにしなくては」と気を引き締めている。
昭和11年生まれ。68歳 |