日本建築士会連合会長表彰を受けた
八代市建設部次長   井本 惠英氏


 「大変恐縮している。熊本県建築士会には優秀な方が沢山いらっしゃる中、何故私が選ばれたのだろう」と謙虚に喜びを語る。

 昭和46年、福岡大学建築学科を卒業し、同年地元八代に戻り入庁した。その後、行政と建築士会のパイプ役を長年務め、その功績が讃えられた。

 「まちの活性化について、机上の議論だけでは市民の方々には何も伝わらない。建築士のノウハウを活かして提案をすることが必要。行政もそれに携わっていくことが大事」。

 八代支部30周年記念行事では、自ら陣頭指揮を執り本町アーケードで「夢のあるまちづくり」の大イベントを行った。それまで防災上の理由から、アーケードでのイベントはダブー視されていた中、警察、消防署などから使用許可を得るために東奔西走した。

 また、近隣の支部にも呼びかけ、物産展においては、建築関係者は勿論、小学生からお年寄りまで参加し、イベントは大盛況に終わった。そのことが建築士会の結束を一層強めただけなく、会員増員という思わぬ副産物も得た。

 「今までのハコモノはワンパターン化していた。魅力あるまちを造っていくには多少の遊び心や付加価値をつけていくことも必要」と持論を説く。

 時には斬新な計画を打ち出し、周囲からの反発もあったという。しかし、初心を貫き、やると決めたらとことんやる≠フ信念で見事にやり抜き、変貌したまちに、みんなから感謝されたこともしばしば。

 「自分たちが住むまちは自分たちで造っていくことが大事。これからは、市民参画型のワークショプ方式でのまちづくりが常識になってくる」。

 週末には、気の合う仲間達と麻雀に興じる。ほかにもカメラ、バイク、アマチュア無線など趣味も幅広い。また小型船舶操縦士の資格を取りに福岡まで足を運んだことも。

 「今後は、若い人達に技術的なことだけでなく、人と人との触れ合いを教えていきたい」と若手育成に意欲を燃やす。「それが少しでも受賞の恩返しになれば」と静かに語った。

 八代市植柳新町在住。妻と二人暮らし。
2004.11.01掲載

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