国土交通省熊本河川国道事務所長に就任した
安藤 淳氏
土木では計画論を学び、それを活かすための仕事として今の道を選んだ。昭和58年に入省し、熊本県の道路建設課に2年間出向。「包み隠さない気質で遠慮をしない一方で、一度付き合うと深いつながりが生まれる」。久しぶりに帰ってきた熊本には、"当時の仲間"が待ち受ける。
社会資本整備のキーワードに『安全・安心』、『利便性』を挙げる。人間が人間らしく、生きていくためにはそれが不可欠だからだ。一般的に公共事業への悪いイメージは、その点が理解してもらえないことを指摘する。「正すべき所は正し、情報発信に努めることで、イメージを払拭したい」。
前職は本省の道路局国道防災課道路保全企画官。主に道路の管理を担当する部局で、次世代へつなげていくための道路ストックを計画してきた。不動産業界の言葉を借りるならば、アセット(財産)・マネジメントの範疇だという。適正な管理を施さないと社会生活に大きな障害・損失を招くとも言われている。
例えば、1980年代のアメリカでは、ニューディール政策で整備されたインフラが一度に管理・補修時期を迎え、パニック化。橋梁では一部が重量制限や通行止めになったため、経済活動を大きく阻害した経緯がある。高度成長期に整備された日本のインフラも丁度その時期で、管理の必要性を強調する。
「補修には、時期というものがあり、闇雲に金を使えば良いと言うものではない。技術力や経験を持った技術者を早急に育てていくことが重要だ」。メンテナンスを主体としたマーケットの広がりを示唆しながらも、技術者養成の民間活力に大きな期待を寄せる。
熊本に赴任してからも、週1〜2回の割合で、学生時代からプレーしているテニスで汗を流す。熊本県庁のテニスクラブが活動の場所のようで、〃深いつながり〃は昔も今も変わらない。
昭和35年生まれ。44歳。熊本市の官舎に単身赴任中。 |