建設事業関係功労の国交大臣表彰(建設業・専門)を受賞した
          東部設備工業(株)代表取締役  古川 良氏


 「現場での仕事をやってみたい。やりたい事も勤めていては自由に出来ない」。大学卒業後、熊本市役所税務課に入り、その後、水道局勤務に。そこで現場の仕事に魅力を感じる。技能士の資格取得を機に退職。35歳の時だった。

 三年後の昭和48年に有限会社を興す。「何となく面白そうだな」が第一印象。しかし、役所勤めだったため、得意先はゼロ。「朝6時半から夜12時まで営業と仕事に飛び回っていました」と当時を懐かしむ。

 公共事業縮減や景気低迷の煽りを受け、最盛期には断るほどあった仕事が、今は3分の1ほどに減少、一部ではダンピング受注や奪い合いの状態も。

 「自分の事より全体の事を考えるのが、これからの生き残る道。適正価格で受注しないと、必ずどこかにしわ寄せが来る。こういう時期だからこそ、"協調と和"を第一に、お客様から喜ばれるいい仕事を手がけてほしい」。

 熊本県管工事業組合連合会と熊本市管工事業協同組合で要職を歴任。業界の行く末を常に気にかける。

 『不言実行、和衆協同、積極垂範』が信条。和をもって積極的に人の模範となるよう自らが率先して行動、人とのつながりを大切にしてきた姿勢がにじみ出る。

 12月で65歳。勤めていれば定年を迎える。「どっちが良かったかはわかりませんが、熊本の水の美味しさとありがたさを後世に伝え届けるためにも、この仕事を続けていきたい。大きくすることより継続することが大事ですから」。
2003.07.28掲載

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