熊本県の史跡等で活用
環境にやさしい100%天然素材の土系舗装材
雑草アタックS・マグファイバー工法


日本乾溜工業 荒木 強熊本支店長

 固化材(海水にがり成分)や熊本県産の竹短繊維(補強材)・吸水骨材(天然多孔質骨材)・基盤材(良質の真砂土、山砂)で作られた100%天然素材の土系舗装材「雑草アタックS」が現在、注目を浴びている。日本乾溜工業(本社・福岡市、沢井博美社長)が開発したもので、仕上がると、日本古来の土壁や土間のようになるため、史跡や公園の園路、遊歩道、植樹帯、法面などに多く採用され、全国的にも高い評価を得ている。
 熊本市役所が発注した妙解寺跡や泰勝寺跡(ともに国指定史跡熊本藩主細川家墓所)の園路舗装などでも使用されており、これまでの多くの施工実績が認められ、「第10回エコプロダクツ大賞」で農林水産大臣賞を受賞、「第3回九州ビジネス大賞」で優秀賞を受賞している。


園路舗装や防草対策にも適用
 施工方法は@下地に散水A製品を均等に敷ならしBコテなどで表面を仕上げC散水D締固E散水、2〜3日後には固化材が固まり完成。18`cの袋に入っているため、狭い場所や少ない数量の施工にも適している。
 特長は、透水性や保水性に優れ、熱を吸収する性質がある。現場において将来的に不要となった場合、天然素材のため、簡単に砕いて自然土として再利用できることから、動物園や公園・学校などの舗装にも利用されている。さらに、使用する竹チップ(竹短繊維)は、県内の業者から伐竹されたものを原料として購入しているため、地産地消にも役立っている。

マグファイバー工法で法面施工
 また、法面の雑草抑制や浸食防止には、雑草アタックSと同じ材料を専用の機械で吹付施工する『マグファイバー工法』が使用されている。
 主な施工例は、熊本市役所が発注した熊本城内(特別史跡)や妙解寺跡(国指定史跡)。熊本城では、浸食された真砂土法面の復旧や保護を目的に、この工法が検討された。「熊本城は、全国的にも有名な観光名所。そこで、環境面や景観性も重視してセメント系固化材を使用せず海水にがり成分である固化材を使用し、自然と調和した色彩で景観を損なわないこの工法を採用した」と市担当者。
 同社熊本支店の荒木強支店長は「熊本県産材で製造された『雑草アタックS』や『マグファイバー工法』を普及させて、製品や工法の良さを多くの人に実感してもらいたい」と話している。
2015.6.11掲載

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