軽量化で新建築基準に対応
「耐震用システム吸振つり天井」
大手企業との連携模索


サクシス(甲佐町) 櫻木弘代表取締役

 今年4月に「建築物の天井における建築基準法施行令」が国土交通省によって施行される。サクシス(上益城郡甲佐町芝原818ノ2、櫻木弘代表取締役)は、この建築基準に対応した『耐震用システム吸振つり天井』(商品名・サクシス)を開発。特許を取得し、4月の施行に向け販売体制の整備に努めている。
 新建築基準は、天井の脱落防止措置を規定。特定天井の構造は、構造耐力上安全なものとして国土交通大臣が定めた構造方法を用いなければならない。特定天井の定義は▽6b超の高さにある天井▽水平投影面積200平方b超の天井▽単位面積質量1平方bあたり2`c超の吊り天井▽人が日常利用する場所に設置されている天井。
 これに対し、サクシスが開発した商品は、天井の質量が1平方bあたり2`c以下。建築基準に定められている特定天井外の「その他の天井」に属し、天井脱落対策の対象となる天井と検証ルートが不要になる。そのため、設計者による安全確保の判断のみで申請できるのが大きな強みだ。
 商品の特長は▽中央部に規格天井板の固定範囲天井部分が、また外周壁面部に吸振範囲天井部分が形成されている▽吊りボルトに直接連結された通し野縁レールと、野縁レール上下部材で天井下地組を構成している▽超軽量化した粘弾性天井板(1平方bあたり2`c以下)を吊りボルトに直接連結した野縁レールに差し込み、取り付けることによって、落下の危険性がほとんどない。使用用途は事務所ビル、学校施設、住宅など、ほとんどの施設に対応可能。
 同社では、3月中をめどに実用化モデル天井の完成と祟城大学による水平振動実証実験を予定。さらに、大手企業との連携によって確実にシステム天井商品を完成させ、国内外への販路を確保する考え。
 櫻木社長は「製品販売の企画設計案・見積もり・施工請負を一貫して行う事業を目指している。県内外、さらには国外へ販路を拡大していくためにも、大手企業との提携を模索していきたい」と話している。
2014.2.13掲載

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