会員制で知識や技術を提供・共有・発信
「受発注者、サポート業者の橋渡し役に」

全国初、NPO法人のCALSサポート
NPO法人CALSネット熊本 片山 哲朗


 4月から熊本県は電子納品の目標レベルを 「2」 に引き上げ、業務は2年後、工事は3年後に 「3」 で本格運用する。電子化へのスムーズな移行には、受発注者間の意思の疎通とレベルアップが鍵を握っているが、コストや納品時のトラブルなど疑問・質問を中立的な立場で応えてくれる機関が無い。
 そんな中、NPO法人CALSネット熊本 (片山哲朗理事長) が、県のインキュベーション施設 「夢挑戦プラザ21 (旧免許センター)」 内で活動をはじめた。「営利企業には気軽に相談できないのでは」 との思いから、全国で初めて、CALS/ECをサポートするNPO法人を立ち上げた。
 メンバーはCALS/ECインストラクターや土木一級施工管理技士、設計コンサルタント、測量士、IT技術者、ISOコンサルタントなど7人。建設産業に携わるプロ集団で、これまでもCALS/ECに関し、熊本県建設技術センターや熊本県建設業協会を支援してきた経験を持つ。
 利益を追求しない非営利団体となることで、受注者側の要望や意見などを行政に直接伝えることができるなど、一企業では踏み込めない世界にも飛び込め、生きた情報が得られる。安価で確かなサポートの場を設け、小規模事業者や個人への広がりに期待する。
 サポート内容は、各種講習会や相談会、常設の電話相談室をはじめ、各企業や工事ごとの業務に対しての無料コンサルタントを通して、その場で要求される知識や技術を提供。成果品作成時に人員や設備が不足した時には、経験豊富な人材や適切な業者を紹介する。
 入会金・年会費による会員制で運営するが、「まずは知名度をあげたい。何をしているのかを知ってもらう事が先決」 と、会員以外も参加できる電子納品無料相談会を昨年12月から月1回のペースで実施。講習会と違い、自分が知りたい、分らない事だけが相談できると、参加者からの評判も高い。
 会員は、受注する建設業者や測量設計業者だけでなく、サポート業者、機器・ソフト販売業者などにも門戸を広げている。「会員相互が情報を共有・発信することでレベルアップを図り、行政と請負業者、サポート業者の3者間の橋渡し役を担いたい」 (片山理事長)。
 熊本に続けと、北海道でもNPO設立の動きがある。 「将来的には他県との情報交換も行いたい」 と夢を膨らませる。熊本発の試みが全国へと広がっていく。既存の枠に囚われない新しい取り組みが注目される。
2005.04.04掲載

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