木造設計アドバイザー派遣事業
(株)ウッディファーム 坂田雅孝社長
正しい知識で木の良さわかってほしい



 県内で「木造設計アドバイザー派遣事業」が、これまで5件の公共施設に適用されている。このほど完成・供用した県立岱志高校工芸実習棟で、その成果が披露された。全ての物件にアドバイザーとして関わったウッディファームの坂田雅孝社長は、木造建築の更なる普及を睨んでいる。



〈国が「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を施行したのが22年。熊本県もこれを受け23年に「熊本県公共施設・公共工事木材利用推進基本方針」を策定し、公共性の高い建築物や土木工事での木材利用の目標を定めた〉
 県が基本方針を定めた頃に、アドバイザーの話がありました。2年の下積みがあって熊本県木材協会連合会(県木連)の推薦もあり実現したんです。背景には、公共部材、例えばコンクリートとか、鉄筋には物価版などの資料がありますよね。木材には資料がないんです。そうすると積算も構造計算も出来ない。木を把握する専門家が必要とされていました。
〈木の知識は独学による。もちろん日本木材加工技術協会認定の木材乾燥士・接着士、大断面集成材管理士などの資格を持つ。木を知りたい活動の中で自然と大学や公的な研究機関、市場関係者とも深いつながりが生まれている〉
 発注者の情報をいち早くキャッチすることで、私が持つネットワークが活用できます。ただビジネスとは区別しており、県木連を通じて透明性につなげています。日本農林規格(JAS)を活用するのも公共部材としての品質を示すことと安定供給するため。民間住宅なら経験や勘で木材を選べますが、公共施設は根拠が必要になりますから。
〈アドバイザーの派遣は、基本設計時に3回、実施設計段階で1回の計4回が基本。この間、「県産材利用での樹種選定」「素材・製材・乾燥工程の確認」「JAS規格材の選別」などについて助言している〉
 設計者にお願いすることは、木のモジュール(尺度)を計算して設計してほしいことです。これを考慮しないと部材がムダになったり、強度が足らなかったりコストアップの一因になります。さらにメンテナンスを考え無ければなりません。木の性質を知って適材適所に使う。正しい知識で施工さえすれば鉄骨や鉄筋コンクリートよりメリットも多いんです。もっとたくさんの人に木の良さを解ってほしいと思います。

【メモ】
木造設計アドバイザー派遣事業
 熊本県と熊本県建築住宅センターが協働で25年度に創設。県内自治体が発注する木造建築物の設計に対し、地産地消を念頭に木材流通などの実態を踏まえた専門家を派遣。質の高い木造建築物を整備している。
2015.04.20掲載

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