NPO法人熊本まちづくり 山下定男理事
ひご優ネット≠ナ地域に安全・安心


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 NPO法人熊本まちづくり(会長・丸山定巳熊大客員教授)は、総務省の「地域ICT(情報通信技術)利活用広域連携事業」の採択を受け、熊本菊池地区で福祉サービスをバックアップする生活支援システムの構築に取り組む。このほど推進協議会も設置し、専門家らの意見を聴取。組織を統括する事務局の山下定男理事(西日本測量設計椛纒\)の周辺が慌ただしくなってきた。



〈山下理事は「熊本まちづくり」を立ち上げる数年前からまちづくり支援グループを結成し、熊本大学の本間里見准教授の指導のもと、自らの社屋がある熊本市東部地区の健軍、砂取、尾ノ上の各校区を超えた活動を展開している〉
 まちづくりに取り組むきっかけとなったのは、コミュニティの衰退でしょう。公共事業バッシングの中、自分の専門分野(都市計画や測量設計コンサル)を通して地域に役立つことは無いかと考えていました。ちょうどコンサル仲間がグループとなって東部市民センターを拠点に動き出したのが始まりです。自治会長さんたちとの意見交換で、地域の課題を見つけだすことができました。
〈グループの活動は、文化振興、まちづくり、健康づくり。五行歌で住民の想いを酌み取り、まちづくり検討会で地域の意見を聞き、サッカー大会で子どもたちと触れ合った。地域の資源である健軍神社では「夏越し灯路まつり」に参加し、イベントを盛り上げた〉
 住民と交流する中で、従来の校区単位のまちづくりでは限界があることを感じ、大学やシステム業界・福祉分野などとのネットワークを広げることを思い立ちました。2年前にNPO法人を立ち上げたことで、国土交通省の「住まい・まちづくり担い手事業」、内閣府・総務省の「地方の元気再生事業」などの補助採択を受けることができ、今回のICT事業へとつながりました。
〈ICT事業が目指しているのは、地域弱者の見守り活動。活用分野は福祉を始め医療、介護にも及ぶ。これまでの補助事業で培ったノウハウをたたき台に広域的な課題解消を狙っている。事業費約3650万円で、近く一般競争入札により、システムの設計・構築を委託するという〉
 我々の得意分野である地理情報システム(GIS)、リアルタイム位置情報システム(GPS)に携帯電話端末、Webサーバーを融合させてシステムを構築します。ひご優ネット≠フ名称で情報ネットワークを築き、熊本菊池地区の安全、安心を実現したい。将来的には熊本県内一円を視野に入れています。行政や地域が持つ様々な情報をシステムに組み入れ、総合的なシンクタンクとしての役割を担うことができればと。行政サービスが行き届かない地域社会との狭間を埋める「新しい公共」。その担い手を目標としています。 

【メモ】
地域ICT利活用広域連携事業
 総務省が平成19年度に創設。情報通信システムを活用し、地域のコミュニティ・経済の活性化を図る。22年度は九州で11件が採択されており、熊本県内は2件(ほかは阿蘇広域事務組合)。
2010.10.11掲載

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