菊池市建築組合  山本 勝義 組合長
充実した奉仕活動は建設業の連携必要



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 菊池市建築組合は、独自の手法で建築業界のイメージアップを展開している。菊池市内の小・中学校、幼・保育園13施設を対象に、夏休みを利用して維持・修繕などを行う1日奉仕活動がその取り組み。昨年、30年の節目を迎えたことから、記念祝賀会を催し、席上、そのボランティア活動に対し、菊池市から顕彰された。山本勝義組合長(62歳)は、奉仕活動の意義を熱く語る。


〈組合員も減少の一途を辿っており、活動への意欲が減退しかけた時期もあった。1級技能士でもある山本組合長のリーダーシップが継続の原動力となっている〉
 発起人は私の師匠でもある2代目の中原公春組合長。私は16代目の組合長だが、よくここまでやってこられたと思っている。10年ぐらい前から「もうやめよう」という組合員もいたが、その都度、頭を下げてお願いしてきた。「頑張ってやっていこう」と意気込むつもりはないが、少しでも地元のためになるよう続けていきたい。
〈始めた当時は、材料は持ち込みで、それこそ自腹を切って取り組んでいた。ただ、回を重ねる毎に要望も増え続けたため、材料費は市でみて貰えるようになった。しかし、下見したり、材料を調達したり…。生半可な姿勢では30年もの歳月を経ることは出来なかっただろう〉
 地区毎の担当理事6人が施設の状況を見て、1日で終わるよう段取りをしている。材料は全て市内業者で調達している。ホームセンターなどは所詮営業所。落とした金が中央に持って行かれるだけ。僅かではあるが地産地消を心がけている。
〈後継者不足に頭を悩ませている。弟子をちゃんと取って育て上げれば良いのだが、今の様に仕事がないと思うようにならないのが現実。自身、弟子を取ることを躊躇(ためら)っている〉
 昭和の時代は口コミで仕事があった。そこにかまけて我々自身が在来工法の良さをアピールしてこなかったことも要因だが、住宅に対する考え方が大部変わってきたようだ。『200年住宅』なんて今頃言っているが、我々はそれをこれまでやってきた。
〈これまで技能グランプリに3回出場し、自分なりに腕を磨いてきた。全国各地から集まる様々な職人の技はどれも見事で、たくさんの仲間が至る所に点在している〉
 これからは建設業に携わる人たちが連携していくべきだ。ボランティアも、業種毎に別々にやるのではなくて一本化することが望ましい。そうなると充実した奉仕活動となるのでは。

【メモ】
 菊池市建築組合 旧菊池市の大工、専門工事業などの職人らで組織。前身は菊池市建築大工組合。現在の組合員数は約50人。称号を変更したのは大工ばかりでは多様化する建築業のニーズに対応できないため。最盛期には約140人ほどの大工が組合員としていたという。
2009.01.22掲載

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