熊本県生コンクリート工業組合青年部 味岡 謙二郎 会長
将来を見据えたコミュニケーション創りへ



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 建設産業は、公共投資の減少で厳しい状況が続いたままだ。建設資材の中でも土木、建築などあらゆる業種に関係するのは生コンクリート。厳しいからといって産業自体が成り立たないと、建設業界に及ぼす影響は半端ではない。完全共販制度の確立や生コン単価の値上げといった課題解消も急ぐ必要があるが、何といっても次世代を担う後継者の育成がカギとなる。熊本県生コンクリート工業組合で青年部を束ねる味岡謙二郎部会長(44)に話を聞いた。


〈先の通常総会で部会長に就任した味岡氏は人吉球磨地区の味岡建設生コン工場で取締役として現場の指揮を執りながら、業界の動きを肌で感じている。若手経営者らの斬新な考えを業界の中に吹き込もうと、勉強会を開くなど将来につながる部会運営を心がけている〉
 生コン工組青年部の基本方針は奪い合えば足らなくなる。分け合えば余る≠ニいった融和の精神 。自分のことだけではなく、勉強会で意見を出し合いながら、将来を見据えたコミュニケーションを創っていかなければならない。奪い合っても結局、市場が縮小しているので、互いにつぶし合うだけ。若い柔軟な発想で共存の道を探っている。
〈材料費の高騰で生コンクリートも値上げしないと採算が採れなくなっている。生コン単価のアップ、人材不足の解消、従業員の高齢化・・・。山積する課題は、次世代を担う後継者達にとって他人事では済まされない〉
 今のままではやっていけないことは解っているので値上げは必至だろう。将来的に見た人材不足は深刻だが、生コン業は建設業界になくてはならない存在。青年部会で昨年実施した工業高校を対象とした工場見学会は人材育成が基本にある。一般の人もそうだが学生も生コンの現場がどうなっているのか知らない。先ず知ってもらうことが重要だ。若い人材の入職を促すことができれば、新技術の活用などにつながるだろう。
〈平成17年4月に有限責任事業組合契約に関する法律(通称LLP法)が国会で可決され、同年8月より施行された。生コン業界では先進事例は少ないものの、工場の集約化、共同輸送といったメリットがあるという〉
 九州地区青年部の研修会でテーマとなった一つ。合併が嬉々として進まない現状を考えると一つの方策となるだろう。母体の会社は残しつつ、合併・集約が出来る。合併となると一方に大きな債務があるとなかなか進まない。ただ、生コン業では東愛知生コン協組で先進事例があるだけ。話だけ聞けば良いことずくめだが、落とし穴も潜む可能性がある。反対意見などを参考に手探りの状態で調査を行っている段階だ。

【メモ】
LLP法
 Limited・Liability・PArtnershipの略。会社のように有限責任で、組合のように柔軟な組織運営ができる新事業形態。企業の規模を問わす新規事業を立ち上げることや異業種間の共同事業が容易に実施できる。 
2008.07.03掲載

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