国土交通省熊本港湾・空港整備事務所
所長 久保敏哉氏
建設業は大切なパートナー

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 熊本地震の際には、全国から支援物資が届けられる中、熊本港や八代港などの港が各種支援の拠点として活用された。国土交通省熊本港湾・空港整備事務所長に4月就任した久保敏哉氏は、当時リエゾンのメンバーとして熊本に派遣。地元建設業の力によって早期に港の機能を確保できた経験から「我々の大切なパートナーだ」と言い切る。




―八代港では昨年度から国際クルーズ拠点整備事業が始まりました
 2019年度末までの完成を目指す同事業は、当事務所の現在最大のミッションだ。外港地区において岸壁や泊地等の整備を進めており、熊本県・民間企業(ロイヤルカリビアン)との共同で取り組んでいる。クルーズ船の受け入れ環境改善が見込まれ、しっかりとやり遂げたい。
 ほか所管事業では熊本港の防波堤整備を進めているが、港直下で地震が発生しても損壊しないよう耐震強化岸壁の整備を検討している。技術的に非常に難しいが、地元の要望もあるので、今後のステップに向けた課題と捉えている。

―入省後の心に残る出来事は
 熊本地震はまだ記憶に新しい。本省に赴任直後に地震が発生し、本震の翌17日にはリエゾンとして熊本県庁港湾課に派遣された。現地と本省、九州地方整備局との情報伝達にあたった。支援物資などを積んだ自衛隊や海上保安庁の船舶が寄港するので、一般貨物船とバッティングしないよう調整した。自らも被災しながら24時間体制で復旧対応に奔走する県庁職員の懸命な姿が忘れられない。
 その後の各種支援にあたっては、地震被害で道路交通網が停滞する中にあって、熊本港や八代港などが物資供給のほか給水や入浴など支援拠点の一つとして活用された。港の重要性を県民に再認識して頂いたのではないか。

―地震時は発災直後から地元建設業者が早期復旧に貢献しました
 岸壁に大きな損傷は無く利用に支障は無かったが、背後道路に沈下や亀裂、段差等が発生していたので、すぐに応急復旧作業に駆け付けて頂いた。その後、各種支援拠点として港の機能を確保できたのは、他でもない地元建設業の皆さんの力のおかげ。我々の大切なパートナーである。
 地域の発展や安全・安心の確保に努めていくためにも、しっかりとしたフォロー体制を整えていきたい。

―約30年ぶりの熊本と伺いましたが
 大学時代を熊本で過ごしたというのもあり、非常に懐かしく第2の故郷という感じ。当時、ワンダーフォーゲル部に所属し、阿蘇や九重など毎週のように山に登っていた。熊本城など地震の爪痕は残っているが、基本的には当時と変わっていない。自然豊かで、お酒や料理も美味しくとても住みやすい。時間が出来たら、昔のような登山は無理なので麓の温泉にでもゆっくり入ってみたい。
2018.7.2掲載

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