八代建築設計監理協会
会長 金橋義男氏
若手建築家の入会で活性化図る

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 4月20日に開かれた2018年度八代建築設計監理協会の総会で第8代会長に選出された金橋義男氏(金橋総合計画事務所社長)。「私の課題は若い会員の入会を増やして協会の活性化を図ること」と話す。高齢化の進展にともなって今後どのように協会の活動を進めるのか、現状と課題、今後の見通しなどを聞いた。



 ――独立して32年だそうですね
 昭和54年に大学を卒業して2年間地場建設会社に勤め、その後5年間を熊本市の設計事務所に勤務した。地元・八代東高校の全面建替えに携わったのを最後に独立した。みんなそうだが若いときに夢や理想を抱いてこの業界に入った。だが夢や理想だけではどうにもならない。会社を立ち上げたものの、その後バブル景気の恩恵を受ける前にバブル景気が終わり、最初は同業者とのつながりも少なく若い頃は大変な思いをした。そんな折、設計監理協会への入会を誘われてゴルフなど遊びも含めて協会活動に参加するようになり、同業者との知り合いも徐々に増え、官公庁の仕事も少しずつ受注できるようになっていった。若い頃は自分の理想に対して、予算という現実が立ちはだかるなど大変だった。

――協会の現状は
 これまで八代では老人ホームなどの高齢者施設が建っていたが、今後は減るだろう。ゴミ処理場などの官公庁発注の大型プロジェクトも減少が予想される。協会は2018年4月現在で一種会員24社、二種会員20社、賛助会員37社と歴代会長の功績もあり大所帯になった。ただ少子化により年々入会者も減ったことで高齢化が進んでおり、若返りが必要だ。熊本地震により耐震診断や建築相談が増え、熊本地震後の会員によるボランティア活動には、市民や発注官庁から大きな期待が寄せられた。これまでの地道な活動が今後は建築設計や監理業務の受注に結びつくようになればよいだろう。地元の建物が良くなることは文化的にも良いことであり、協会としても積極的に協力していきたい。そのために協会会員の「融和」を大事にし、地元市民からの「信頼」を得て活動を続けたいと思う。

――協会活動の今後の展開は
 熊本地震後は協会員も復興需要で収入が増えたが、ただこの時期だからこそ、手を拱(こまぬ)いているのではなく、協会員の技術レベルの底上げが必要だ。設計コンペなどに福岡市や熊本市からは参加しているようだが、地元八代からは参加できていないという現実がある。今後は八代からも参加できるよう、若手の掘り起こしを行い、みんなが協力してそのような事務所が出てくるよう連携を図りたい。協会員は「ライバル」であるとともに「仲間」でもある。大きな事務所は人間を抱えて大きな物件に対処できるが、八代はパイが少なくどうしても会社組織が小粒になる。だから協会組織で連携して大きい物件を受注できるよう対処することになる。このためお互いの連携をさらに強め、技術力を高める必要がある。
 その点、設計監理協会というのは非常に良い組織だと思う。私自身も協会に入ったからこそ仲間によって育てられ何とかやっていけると思っている。実は昨年、2カ月間入院し、信頼できる協会会員に仕事を外部委託して乗り切ることができた。非常に有難く思っており、微力ながら協会に恩返しをしようと考えている。
2018.5.17掲載

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