熊本県コンクリート診断士会
勇 秀忠理事長
信頼性が安心に繋がる

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――法人化に至った背景は
 5年前に協会を立ち上げ、構造物を調査・診断する専門技術者組織として多くの事案に携わってきた。関係機関からも認知され、損傷や不具合に対し、意見を求められる機会も増えている。
 これまで任意団体として活動してきたが、質問や相談に応えていくには、法人化した方が信頼と安心感を与えられるのではないかという思いを持っていた。その分責任も伴い、今まで以上に良質な社会資本整備を構築する姿勢が必要だ。

――これまではどういった活動を
 スキルアップを図るため講習会、業務報告会、現場見学会などに取り組んできた。特に関連団体を対象にした講習会では、コンクリート診断士会の会員が講師を務めており、自身の技術力と探求心の向上にも繋がっているのではないか。
 喫緊の課題は、技術者の確保。既存の構造物の多くは経年劣化しており診断士が必要だが、試験の合格率は15%前後と難関だ。支援策として会員のノウハウをまとめた試験対策用冊子の作成や受験直前対策講習会を行っている。昨年は、受講者23人のうち全国平均を上回る4人が合格した。裾野を広げるため確実に前進しており、支援の継続が大事だ。

――今後の意気込みをお聞かせ下さい
 発注者に対して積極的に提案を行っていく。例えば橋梁点検業務には、橋梁技術修了者と道路橋点検士を資格要件としているが、診断士もこれに付随すると考えている。複雑な損傷などは我々の技術が活かせるのではないか。構造物を健全に維持管理する技術者集団として、働きかけていく。
 震災復旧の一助を担っていきたい。技術者不足を補うため、プレキャスト製品を工夫したり、高流動コンクリートなどを安価に使用できないか、関係機関と協議している。構想段階だが、単に構造物を復旧するのではなく、持続的に耐久性を持たせる技術の研究開発にも取り組みたいと考えている。
 信頼性が安心に繋がり、成果品に重みを増す。社会資本整備の構築に必要不可欠な存在であり、公正・公平な第三者的立場で真摯に対応し、県民が安心して相談できる「地域のシンクタンク」を目指していきたい。
2017.10.5掲載

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