国土交通省緑川ダム管理所
川口芳人所長
洪水調整で人命・財産守る

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 梅雨や台風などの豪雨で増水する緑川の洪水調節を担う緑川ダム管理事務所。住民の生命や財産を守るのが最重要の役目だ。今年4月、新しい所長に就任した川口芳人氏に、危機管理の重要性を尋ねた。




――九州各県で被災した河川の復旧に力を注いで来られたそうですね
 平成12年に延岡河川国道事務所延岡出張所の所長に赴任した時は、その3年前の台風19号で氾濫し、激甚災害の指定を受けた五ヶ瀬川水系北川の復旧に携わった。9年の河川法改正で、河川改修の目的に「環境」の項目が追加されていたため、北川復旧にあたっては、環境に配慮したいろんな工法を駆使し、多種多様の施工方法を採用して進めた。
 熊本地震発生時は九地整河川部広域水管理官に就いていた。上益城郡益城町に入り秋津川を見た瞬間、堤防が下がっているように感じた。益城町長に調査要請していただき測定した結果、約1b下がっていることが判明し、直ちに応急復旧に取り掛かってもらった。北川激甚災害で取り組んだ対応が役に立ったと思う。

――緑川ダム所長としての意気込みを
 ダムが完成して46年になるが、昨年はこれまでに経験のない規模の雨水(毎秒2000d)が流れ込んできた。「昨年発生したから、今年は発生しない」とは言いきれない。人命・財産、文化財を守るため、洪水調節にしっかり取り組まなければならない。ダム操作は100%できてあたり前。気を引き締め対応していく。

――緑川ダム管理所の周辺に、アウトドア施設が整備されました
 ダム湖畔には、フランス発祥のハーネスを着用し、森の樹から樹へ空中移動するアウトドアパーク「フォレストアドベンチャー」という施設がある。昨年は、ダム湖(約500b)を横断する「ジップトリップコース」も完成した。まだ挑戦していないが、ダム湖の上を滑りながら眺める景色は絶景と聞いている。体験できる日を楽しみにしている。

――ほかの取り組みや休日やってみたいことはありますか
 今年3月、八代市の住民団体と一緒に、昔の暮らしや自然を紹介した冊子「やつしろ子ども自然とくらし図鑑」を出版し、市内の小学校に配布した。児童のみなさんが、八代の先人の知恵や自然に興味を持ってくれれば嬉しい。また緑川流域には、石橋や鵜の瀬堰などの土木遺産がある。河川工学を勉強するには良い素材が残っており、自然環境も豊かだ。探索すれば新たな発見ができるかもしれない。
2017.6.26掲載

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