熊本県建築士事務所協会「青年委員会」(仮称)
山室 昌敬 委員長
若手建築士をサポートしたい


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 熊本県建築士事務所協会(福島正継会長)は、このほど組織内に「青年委員会」(仮称)を立ち上げた。減少している若手建築士の育成や技術水準の向上を図るとともに、独立や事業承継などを見据えた経営支援も視野に入れる。委員長に就任した山室昌敬氏(中川建築設計事務所)に設置の経緯や活動方針を聞いた。



――設置に至る経緯をお聞かせ下さい
 熊本県内では、若い建築士や若手が経営する建築士事務所が年々減少し、設計を学ぶ学生も、学部の廃止や募集人員減などの影響で少なくなってきている。この状況が続けば、10年後は誰が設計をしているのか不安になる。若い建築士を育成し、熊本でも仕事が継続できるような土台づくりを建築士事務所協会としてサポートする狙いがある。

――県内の設計事務所のレベルアップも念頭にあるそうですね
 熊本には大手・中堅・アトリエ系を問わず数多くの設計事務所が、中央から参入してきている。県内の事務所とは比較できないほどの実績やノウハウを有し、同じ土俵で戦うには現実問題として無理がある。自分たちの設計レベルを認識し、向上させていかなければ、熊本の設計業界が萎んでいく可能性も否定できない。

――どのような活動を計画されていますか
 委員会は30〜40代の事務所の代表や後継者など16人がメンバーで、女性にも5人参加してもらっている。自分たちが「困っていること」や「必要としているもの」を第一に考え、事務所に勤務する一般の若手職員も巻き込めるようなしかけ≠つくりたい。現時点では、勉強会や見学会、経営塾、賛助会員との交流|などを考えている。

――具体的な内容については
 まず、勉強会と見学会。今まで他社の図面や建設現場、完成後の建物内部などを見る機会はほとんどなかった。その情報を出来る限りオープンにし、共有することで県全体のレベルアップに繋げたいと考えている。
経営塾的なものに関しては、独立や事業を引き継ぐ際に必要となる手続きや金銭感覚などを学ぶ場所を提供したい。第一線で活躍されている協会役員の方からも、ご自身の経歴や独立時の状況などを伺えたらと思う。
 賛助会員の方とも積極的に交流し、新しい材料や工法に関する実務者レベルのセミナーを開くなど専門知識を高められるように工夫したい。
 いずれにせよ、今年度は、事業内容の精査や実施方法などを検討する準備期間とし、本格的に活動するのは来年度から。委員会の正式な名称も、年内を目処に決めたい。
2014.10.13掲載

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