協力体制確立し、適正価格で受注を
 熊本県建設大工工事業協同組合熊友会城南支部 川尻成美支部長



熊本県建設大工工事業協同組合熊友会・川尻成美支部長

 熊本県建設大工工事業協同組合熊友会の城南支部が発足し、初代支部長に川尻成美氏(叶尻型枠工業・芦北町)が就任した。県内の宇城以南をエリアに建築・型枠業の協力体制を築くもので、熾烈化する価格競争がもたらす弊害に歯止めをかける狙い。同時に技能者を育成し魅力ある建設業≠フ構築に取り組む。川尻支部長に業界の実情を聞いてみた。



――支部発足に至った経緯は
 公共事業が減少するなどの影響を受け、受注量が減ったことにより価格破壊が起き、仕事を得るため業者間で、つぶし合いが発生する事態が見られるようになった。この業界で生き残るには適正価格≠ナの受注が最大の課題だ。そのためには、業者間の協力体制を確立することが最重要だと考えていた。
 昨年10月頃から、県南地域の業者6社が集まり、経営についての勉強会を始めた。その中で支部発足の話しが浮上し、立ち上げの準備を進めることとなった。親会である熊本県建設大工工事業協同組合熊友会の了承を得て、今年1月に城南支部の発足が実現した。
――活動を進めることで、何か変化が現れたか
 毎月実施している会議では、それぞれが手持ち工事の状況や受注状況・見込みなどを報告している。各社が抱える問題点について解決策を探ったり、人員配置の協力要請もするようになった。どんな問題も仲間と一緒に解決している。これまでの自社優先的な考えを見直し、競争ではなく協力する体制を確立することができた。とても心強いことだ。
――入札制度の改革など業界が変化するなか、今後、どういった取り組みが必要だと思うか
 支部で決定した標準単価に沿って、適正価格で受注ができるよう設計業者や元請業者、自治体にアピールしていくことが必要だ。
 人材育成にも力を入れていかなければならない。年2〜3回は講師を招き、リーダー育成のための講習会を開く予定でいる。また、活かせる技術を身に着けることも大事。支部内でCADを使った積算や設計が行えるようなシステムを早い時期に導入し、経費削減に繋げることができればと考えている。
――この業界に携わる方へひとこと
 現在、城南地区の30社に入会を呼びかけている。我々の活動を理解し、賛同してくれる企業が名乗り出てくれることを願っている。
 型枠工事は必要不可欠な重要な仕事。日の目が当たらない縁の下の力持ち的な存在だが、我々はプライドや誇りを持って、この仕事に取り組んでいる。
 共存なくして、この厳しい時代を生き抜けないと確信している。城南支部発足が、大きな転機となるよう頑張りたい。
2007.06.07掲載

戻る

  All right reserved for west japan construction news Co.,Ltd    renewed on 2004/4/8 Y.アクセス昨日 T.アクセス本日