2025年春の褒章で黄綬褒章を受章
菊池組 代表取締役 菊池武氏
協調の精神を大切に
2023年国土交通大臣表彰に続く栄誉だ。「家族、社員をはじめ、関係者の方々の支えがあってこそ受章できた。業界に貢献できたご褒美をいただけたのかなと思う反面、責任の重さを痛感する」と控えめに話す姿は二年前と変わらない。
創業者である父親が中学生の時に他界し、家業を継いだ母親の支えになろうと建設業の道に入った。「当時は仕事も少なく、年の半分は寝て暮らすしかないという時もあった。会社経営に子育てと奮闘しながら、大学まで入れてもらった母には感謝しかない」と振り返る。
08年から16年間、熊本県建設業協会宇城支部の支部長を務め、宇城地域の業界発展に長年貢献してきた。その人望と強力なリーダーシップから、現在も熊本県森林土木建設協会会長、全国森林土木建設業協会副会長の要職に就く。
喫緊の課題である人手不足に対しては「若手世代は嫌なことがあるとさらりと辞めていくという話をよく聞く。そもそも我々とは考え方が違うということを理解しなければならなない」との認識を示す。
一つの解決策として取り組んでいるのが外国人の活用だ。菊池組は8年前、県内に先駆けてネパール人の技能実習生を迎え入れた。現在は特定技能1号3人、技能実習生3人の計6人が在籍している。
「良くコミュニケーションを取り、しっかりとサポートしてあげれば、勤勉で良く働いてくれる。今は特定技能2号の合格に向けて一緒に頑張っているよ」。
7月には会社の代表を退任する予定だ。「自分一人で抱え込まず、周りとよく話して進めば、良い方向に向かっていく。協調の精神を大切に」と後進にメッセージを贈る。
美里町在住、71歳。昨年8月にイングリッシュ・コッカー・スパニエルの赤ちゃんを家族に迎えた。「愛犬の成長が楽しみ。あと最低10年は元気でおらんとね」と笑顔をこぼす。 |