国土交通省熊本河川国道事務所長に就任した
森田康夫氏

空間軸と時間軸で物事比較

 昭和63年に入省後、本省道路局など道路畑を歩んだ。8年前から、元国土交通省技監を務めた大石久和氏の指導を受け、道路分野一辺倒だった考え方に変化が訪れた。氏が提唱する「国土学」に傾倒し、空間軸と時間軸の視点で物事を比較することで、思考の幅が広がった。「例えば日本のインフラを議論する際に、日本のことだけでなく諸外国と比較すること。また、整備時だけでなく、歴史的時間軸でどのような効果があるのか。それらを通して、何をすべきか考えなければならない」。国土学アナリスト≠フ肩書での講演や「公共事業と教育」というテーマで連載コラムも執筆した。
 前職は、国総研建設マネジメント技術研究室の室長。改正品確法に基づく運用指針や公共工事の入札契約方式の適用に関するガイドラインの策定、総合評価方式の二極化の運用など入札契約の制度設計にも携わった。「制度をつくって終わりではなく、どう実践していくかが今後の課題」と強調する。入札契約制度を熟知し、国土交通大学校では発注者責任の講義を担当。発注者として「地域や工事内容にあった多様性のある総合評価方式を運用しながら適切なパートナー(受注者)を選ばなければならない」と心構えを説いた。
 昨年12月に就任後、年末年始の休暇中に、購入したばかりの自転車で白川と緑川を探索し、清正公の治水事業から現在の河川整備に至る肥後の国土づくり≠ノ思いを馳せた。「時間があれば、熊本の国土学についても書きたい」。
 三重県伊賀市出身。昭和41年生まれ、49歳。
2016.1.28掲載

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