平成27年度「現代の名工」に選ばれた
丸装代表者 合志精弥氏
若い人に業界へ入ってもらいたい



 壁装の製作・修復の表具師として長年従事し、特に伝統的在来工法としての技術である受け掛け≠ノ優れた技能を持つ。その見識の高さにより、後進の指導を熱心に行うなど、業界の発展に貢献してきた。
 「私みたいなものが、このような賞を頂いて非常に申し訳ない気持ちでいっぱい」と控えめに語る表情に温厚な人柄が垣間見える。 
 大津中学校を卒業後、21歳の時に熊本市内の表具内装店に就職。当時、普通自動車運転免許を持っている者が少なく、現場への送迎や資材の運搬が主な仕事だった。「でも、興味があったので、職人さん達の仕事を手伝いながら自然と技能を身につけた」と振り返る。
 30歳くらいの時、仲間3人と「丸装」を立ち上げ、代表者としてクロス張り工事を中心に事業開始した。「昭和46年頃にボウリングブームがやってきて、県内各地にボウリング場ができ仕事は忙しかった。昭和57年頃には住宅建設が盛んで、電話がひっきりなしにかかってきた」と懐かしむ。
 50歳前に壁装一級技能士の資格を取得し、25年以上にわたって表装職種壁装作業の検定員を務めてきた。「毎年、7〜8人は一級技能士の実地試験を受けるが、合格するのは3人くらいだった」と嘆息する一方、「若い人には、どんどんこの業界に入ってきてもらいたい」と期待を寄せる。70歳で検定員を定年となった今も、技能検定を目指す若者に、昔ながらの袋掛け≠フ技能を教えている。
 趣味は、ゴルフとカラオケ。今はゴルフはやらないそうだが、カラオケには月に2〜3回は行くという。
 熊本市中央区に妻、息子2人と4人暮らし。77歳。
2015.11.16掲載

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