平成26年度職業能力開発関係厚生労働大臣表彰を受賞した
(有)落合建装代表取締役 落合三郎氏
日本一の職人を育てたい



 受賞の知らせを受け「何で俺?」と思わず口にしたが、「また、熊本から日本一の職人を誕生させたい」という新たな目標が出来たと目を輝かせる。日本塗装工業会が、隔年で実施する全国建築塗装技能競技大会。熊本の選手は優勝経験があり、自身も工業会の熊本県支部長を務めることから、「熱意を持って一生懸命に指導する」をモットーに選手の育成を誓う。
「塗装は単に塗るだけの作業ではない」と断言して憚らない。暗黙知と言われ、言葉では表現が難しい感≠竍コツ≠フ世界だという。技能を習得するには「多くの現場で仕事をこなす必要がある」と説く。最近の若手技能者にも、歯がゆさを感じる。「塗装を極めようとする思いが足りない。現状のレベルに満足せず、高い目標に向かって技術を磨いてほしい」。
塗装業界も、人手不足や技能の伝承などの課題に直面している。人手不足に関しては、まず若者の目を業界に向けさせることが大切だと考える。「大理石や木目模様を描くデコラティブ塗装は、まさに芸術≠フ世界。うまく発信すれば、興味を抱く若者が増えるのでは」と期待を寄せる。
 深刻だと顔を曇らせるのが技能の伝承。時代とともに仕事内容が変化し、現場で行っていた調色も今はメーカー任せ、鏝を使う作業もほとんどない。「技能を伝えるのは、我々の世代に課せられた使命。今まで以上に資格取得などをサポートしていくが、行政の関与もお願いしたい」と訴える。
学生時代に熱中したサッカー、今でもシニアリーグに所属しボールを追い続ける。自宅の両隣に住む6人の孫と遊ぶのが楽しみ。熊本市東区在住、58歳。
2014.12.1掲載

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