平成26年春の叙勲で瑞宝単光章を受章した
(株)こざき専務取締役 古崎聖二氏
職人はもっと元気を出せ



 職業訓練指導員として18年のキャリアを持ち、熊本の塗装・防水を担う技能者育成に大きく貢献してきた。「大変恐縮している。多くの適任者がいらっしゃるのに」。平成23年度に厚生労働大臣表彰を受賞した時と同様、謙虚な言葉を重ねる。
 指導するのは、熊本市技術専門学院と熊本県建設仕上職業訓練校の2カ所。生徒も専門学院が新卒者を中心とした若手、訓練校が一級技能検定の合格を目指す中堅と異なるが、ともに分かり易く熱心な指導で高い評価を受けている。
 特に専門学院では、建築塗装の基礎だけでなく、挨拶など社会人としての常識も叩き込む。同時に生徒へのフォローも忘れず、職場で抱える悩みなどがあれば相談に応じる。「職人の道を歩み始めた以上、何としても一人前になってほしい」。
 一方で、最近の職人はサラリーマン化≠オているようだと手厳しい。「給与体系の確立が技能修得への意欲を阻害していると思う。仕事を覚えるまで無給だった丁稚奉公や徒弟制度の時代と比べるのは不適切かもしれないが」。
 業界を見渡すと、建物の新築ラッシュの時代は終わりを告げ、維持管理のための改修へと工事がシフトしてきた。「塗装だけでなく防水や足場など幅広い職種に精通した多能工にならないと、顧客のニーズに対応できなくなった」と強調する。
 今後の目標は「一人でも多くの技能者を養成すること」。若手の職人に対しても「ハングリーさが足りない。もっと元気を出せ」と檄を飛ばす。言い方はストレートだが、眼差しは情愛にあふれている。昭和33年6月生まれの55歳。
2014.6.9掲載

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