平成25年秋の褒章で黄綬褒章を受章した
坂口建設(株)代表取締役社長 坂口秀樹氏

業界離れ解消へ仕事の平準化を


 10年程前に脳腫瘍を患いながらも再起を果たし、現在も県内建築業界の最前線で活躍し続ける。「思い悩んだあの時、励まし、背中を押してくれた仲間がいたからこそ今日がある。受章は業界の皆さんのおかげ」。開口一番に感謝の言葉を語った。
 社会復帰した直後の平成16年に県建設業協会の建築委員長に就任した。真っ先に取り組んだのが、CPD(継続能力開発)制度のオープン化。当時、登録認定はすべての建築技術士を対象としておらず、その結果、経営事項審査や建築工事入札等でCPD実績の活用がなかった。
 「土木向けのCPDSの登録・活用は大幅に進んでいる。なぜ建築だけが」。思いは九州建築委員会で問題提起され、建築業界に広く門戸が開かれた制度構築の一役を担った。
 建築の技術力を活かして行政や県民をサポートする事業も積極的に提案した。副会長を務める県建設業協会建築部会の高齢者宅等補修ボランティアは今年で10回目。補修要望は累計1200件に上り、活動が浸透している。自身を「努力家ではない」と謙遜するものの、建築業界の社会的地位の向上へたゆまず励むことを忘れない。
 「技術者不足に伴う建設業の未来の行方が今の一番の懸念」という。特に働き盛りの20代、30代の不足が顕著で、「年間を通しての労働期間と休暇期間の偏りが建設業離れの一因。解決には仕事の平準化しかない」。次は業界の再起≠かけて邁進する。昭和25年1月生まれの63才。
2013.11.28掲載

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