平成23年度職業能力開発関係厚生労働大臣表彰を受賞した
(株)こざき専務取締役 古ア聖二氏
「技術向上へ情熱注いで!」


写真 建築塗装や防水施工の技術を若者などに教える職業訓練指導員を平成8年から務め、10年には技能検定委員にも就任。熊本の塗装・防水を担う技能者育成に対する長年の功績が認められた。「まったく予期しておらず、ただ驚くばかり。私より適任者は大勢いらっしゃるのに」と申し訳なさそうに受賞の喜びを口にする。
講師として従事する熊本市建設技術専門学院の訓練生は、企業に就職して間もない若者が中心。右も左もわからない生徒に対し、まずはあいさつや整理整頓の方法などを徹底的に教え込む。中には突っ張って、反抗的な態度をとる者も。「強制的に押しつけても意固地になるだけ。いいところを見つけだし、褒めてあげることが大切」。長年の経験で身に着けた指導方針だ。
 入校時は、ろくにあいさつもできなかった生徒が卒業し、親方として活躍する姿などを見るのが楽しみだと言う。「我が子の成長と同じ気持ちですよ」と目を細める。教え子の中には、專本塗装工業会が主催する全国建築塗装技能競技大会での優勝者も。「基礎的な技術を教えただけ」と謙遜するが、わかりやすい熱心な指導は誰もが認める。
 自身は20歳の時、塗装の世界に足を踏み入れた。親方に師事し、基礎を一から厳しく叩き込まれる、いわゆる徒弟制度の時代。「仕事ができるようになるまで給料はなし。今では考えられないが、技術を習得する手段としては合理的な制度だと思う」と振り返る。
 ここ数年の就職難を反映してか、業界に飛び込んで来る若者も増えた。「職人はお金になる仕事ができてはじめて一人前。職人である以上、技術の上達に向け絶え間ない情熱を注いでほしい」とハッパを掛ける。「自分の腕一つで社長にもなれるんだから」。
 熊本市在住だが、月の半分は福岡での仕事に追われる。趣味は読書とウォーキング。昭和33年生まれの53才。
2011.12.05掲載

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