平成20年火薬類保安経済産業大臣表彰を受賞した
岩奥産業(株) 代表取締役  森崎 盛人氏
「人命の大切さと平和を願う」


 「旧制中学5年生の頃、戦争のため軍事教練で火薬類を取り扱っていた」。終戦を迎えた昭和20年に中学校を卒業し翌年、林道工事の現場で発破作業に携わった。
 「戦争で身につけたことが火薬類の仕事をするきっかけとなったが、戦争を経験しただけに、人命の大切さや平和を人一倍願っている」。
 その後は、長年にわたり火薬類の保安に極めて顕著な功績を残し、災害防止のための不断な努力が高く評価された。「これも熊本県火薬保安協会はじめ、周囲の方々のお力添えがあったからこそ」と感謝する。
 最初の現場では、固い岩に対し火薬の量を間違え、飛石で人家に被害を与えた苦い思い出がある。この経験から、作業の手順など決められた法規を厳守し、初心忘るべからず∞最後まで何でもやり抜く≠モットーに仕事に取り組む。若い人にも「作業は慣れてからが一番危ない。手抜きが事故につながる」と警告する。
 平成12年度から熊本県火薬保安協会の副会長を務め、19年には産業火薬の需要拡大を熊本県土木部に要望した。
 「100c150円のダイナマイト1本あれば、1立方bの岩が破壊できる。トンネルや採石場などの現場では、コスト的にも工期的にもかなりの差がでる」と経済性、効率性を主張。「安易に機械に頼ることなく、設計段階から積極的に採用してほしい」と願う。
 安全性についても「発破技術の革新で安全率が向上し、県内での無事故を継続している。保安問題も盗難などの防犯体制を強化し、朝晩の点検を徹底させている」。
 趣味は登山。70歳の頃、富士山に登った時、記帳ノートに80歳代の名前があった。「夢は80歳代でもう一度、富士山に登ること」。若い者にはまだまだ負けないと破顔一笑する。
2008.12.15掲載

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