平成20年秋の褒章で黄綬褒章を受章した
(株)三津野建設(熊本市) 代表取締役 西尾剛人氏
「現場からしか得るものはない」


 西尾氏が黄綬褒章を受章―。紙上で見出しが踊った。その日は御祝いの電話が鳴りっぱなしだったという。褒章の種別は違っても各界の著名人と一緒に名を連ねていることに「とんでもないものを頂いた」。協会、関連団体、社員、家族…すべてが支えてくれたおかげで、みんなで掴み取った章だと謙遜する。
 昭和48年に入社し、「真面目に一所懸命」をモットーに現場や営業、設計など幅広く業務をこなした。僅か6年で常務取締役に抜擢された後は、平成3年に代表取締役に就任。同社創立以来初の生え抜き社長≠ニなった。
 建設投資が激減していく昨今の情勢にもかかわらず、同社が安定した経営を続けている背景には、「現場からしか得るものはない」という一貫した社長のスタイルがある。社員には、現場でのミスは必ずやり直させることを徹底。「それが問題解決の近道で、お客様が納得する一番の方法」と話す。
 自らも完成引渡し時には、施主の生の声を直接確認するため、必ず一軒一軒足を運ぶ現場主義者だ。
 平成12年に寥F本県建設業協会建築部会会長を歴任し、20年までの8年間は、建築の技術力を活かして行政や県民をサポートする事業を積極的に提案。5年前に始めた高齢者、障害者の持家補修ボランティアは、実績件数が16年度12件、17年度57件、18年度45件、19年度96件。今年は133件となり、「活動が浸透し、何より喜んで頂けることにやりがいを感じる」と成果を振り返る。
 つい先日行われた今年度の活動では、トイレに手摺りを設置して貰った一人暮らしのお年寄りがうれし涙を流す一幕も見られた。「私たちはお客様の夢を実現する商売。建築は本当に素晴らしい職業だと思う」。熊本市在住。63才。
2008.11.20掲載

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