国土交通省立野ダム工事事務所長に就任した 平松信幸氏
「ダムとセットで白川が安全な川に」



平松信幸氏 熊本河川国道事務所の技術副所長以来、2年の歳月を経て再び熊本へ。「トップとなれば気分的に違う。熊本の県都をあずかる仕事に就くことで、責任の重さを感じている」。熊本の川を知り尽くす、川づくりの専門家として新たな挑戦が始まる。
 白川は、県庁所在地を流れる河川であるにも係わらず、全国的にも治水安全度が低く、その対応策は緊急の課題。現在、熊本市の中心市街地でいわゆる『緑の区間』と呼ばれる治水上、最重要個所への取り組みが展開されている。ただ、河川改修だけでは、その効果も十分ではなく、カギを握るのが立野ダムの計画だ。
 「ダムとのセットで白川の治水計画がより安全なものとなる。今後20〜30年で完了することになる白川の河川整備計画にも立野ダムは含まれており、建設地の地元はもとより、恩恵を受けることになる熊本市をはじめとしたダム下流のご支援を願っている」とダムの事業効果を強調し、流域一帯となった取り組みの重要性を訴える。
 立野ダムは、今のところダムサイト左岸で進めていた林野庁との所管替が終わった段階。工事用道路も約8割を終えており、ダム本体は着工前の調査・試験を継続中。今後は原石山の調査、土捨場の協議を進め「公共事業費も減少しているが早期着工に向け、予算要求していく」構えだ。
 これまで河川畑を歩いてきた。洪水で翌日には流域が荒廃、『一夜川』の異名をとる筑後川の川づくりにも携わった。「軟弱地盤にいかにして構造物を造るか。造った後に護岸などが沈下していくんです。基礎をしっかりと。筑後川に基礎の大切さを教えてもらった」。
 事務所では、職員間の積極的なコミュニケーションを心掛ける。自己啓発に余念がなく、これまで技術士や福祉大学通信教育課程を取得してきた。今後も新たな技術士(環境)や福祉分野の国家資格にもチャレンジするという。「目標に向かうことが精神的に良い」とさらりと流し、難しいことをやってのけながらも努力の跡を微塵も見せない。
 趣味はゴルフ、料理。福岡に家族を残し、単身赴任中。53歳。
2006.08.03掲載

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