春の叙勲で旭日双綬章を受章した
熊本県電気工事業工業組合理事長 伊久美 寛志氏
「これからは『提案型の技術営業』を」


伊久美寛志氏 周囲の誰もが認める温厚な人柄。その柔和な表情が一段と緩む。「支えて頂いた皆様をはじめ、丈夫な体に産み育ててくれた両親、中学・高校時代の恩師のおかげ。長年、健康管理に留意してくれた家内にも心からお礼を言いたい」。平成13年春の藍綬褒章に続く、叙勲受章の快挙となった。
 昭和32年、関西大学経済学部を卒業後、実家の人吉電気工事を継ぐため帰郷。同56年12月に代表取締役社長、平成10年10月には同会長に就任した。「会社を継ぐ意志は全く無かったが、親父が継げ=xと」。懐かしそうに当時を振返る。
 昭和51年6月から人吉電気工事業協同組合の理事長を務め、平成8年6月には、熊本県電気工事業工業組合の理事長に就任。県下約800社の舵取り役となった。「物事を進めるには、相手の立場を考えなければ。自分の事だけを主張してもダメだ」。このことを常に頭に置き、業界の発展と社会的地位の向上、組織の強化対策―などに向け尽力した。
 印象深いのは、平成13年3月、電気事業法の改正に伴い、国の登録調査機関として『熊本県電気安全サービス』を設立したこと。関係機関との交渉や調整等に奔走し、同年4月、九州電力からの委託を受け竣工調査業務を、14年4月からは定期調査業務をそれぞれスタート。新たな事業を確保した。
 日本では、人口の減少が始まり、住宅建設の伸びも期待できない。業界にとって厳しい時代が続く。「従来の受け身≠フ姿勢では、生き残れない。今後は、防災対策をはじめ、高齢者向けの住宅、使いやすい電化製品の紹介などを、我々の方からユーザーや施工業者に積極的に主張する提案型の技術営業≠進めるべきだ」と強く訴える。「電気工事業の仕事は裾野が広い。一所懸命に努力し、希望をもって取り組んでほしい」。後輩たちに未来を託し、今回の受章を機に、業界の役職から身を引く考えだという。
 最近の楽しみは、夫人と「家族の一員」という愛犬3匹で行う散歩=B柔道6段の腕前で、ゴルフ暦も長い。昭和8年生まれの73歳。人吉市瓦屋町在住。
2006.05.15掲載

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